SPECIAL INTERVIEW

「2017ヤングジョッキーズシリーズ」
スペシャルインタビュー

的場文男騎手(大井)編

競馬界を代表する中央・地方のトップジョッキーに、「2017ヤングジョッキーズシリーズ」に参戦している若手ジョッキーへのエールをはじめ、ご自身の若手時代のエピソードなどを語っていただきます。
1回目の今回は「大井の帝王」的場文男騎手のインタビュー記事を紹介いたします。

(インタビュアー:秋田奈津子)

※インタビューは、
2017年10月21日のものです。

「大井の帝王」が若手時代を振り返る

秋田
本日は、5月に通算7000勝を飾り、いよいよ佐々木竹見さんが持つ…
的場騎手
あと88勝!
秋田
そうなんです(笑)通算勝利数7151勝までいよいよ100勝を切りました。
大記録目前ですがプレッシャーはありませんか?
的場騎手
プレッシャーはないですね。一つ一つ目の前のレースに集中するだけです。
秋田
そんな佐々木竹見さんとお話する機会はあるのですか?
的場騎手
最近は、お会いする機会が増えましたね。
秋田
そのあたりのお話はまたゆっくりとお聞きしたいところですが、本日は『2017ヤングジョッキーズシリーズ』がテーマということで、まずは、的場騎手の若手時代についてお聞きします。ジョッキーを目指すキッカケから教えていただけますか?
的場騎手
父親が佐賀競馬の馬主、兄が騎手をしていたこともあって、よく佐賀競馬場に行ってました。
小学生の頃に騎手を目指すようになり、田んぼで乗ったりしたこともあるんです。
当初、佐賀競馬の騎手を目指していたけど、兄から「どうせ乗るなら東京へ」と勧められ、馬主の広松さんと父親と3人で所属予定先だった浦和競馬場へ向かいました。
その帰り道に寄った大井競馬場で、小暮先生にスカウトされたんです。
まさに運命の出会いですね。
秋田
なるほど。学業と競馬の勉強の両立は大変だったのでは?
的場騎手
競馬の世界はとにかく朝が早い!
その後、学校へ行くもんだから、1時間目から居眠りをしてよく笑われてましたよ。
秋田
競馬の世界といえば、所属先となった小暮先生(当時の調教師)はどんな方でしたか?
的場騎手
馬乗りの指導はピカイチでした!厳しいけれど、とてもお世話になりました。
秋田
当時の同期には、森下博騎手や山崎尋美騎手などがいらっしゃいますが、トレーニング方法などで相談したりすることは?
的場騎手
仲良くしてましたが、競馬について相談したりすることはなかったですね。
それにお互い忙しかったし、お金もなかったので遊べなかったです。彼女も作れなくて…。
最近は、競馬場で会うほか、たまに同期会で会ったり、7000勝の祝賀会にも出席してくれました。
秋田
やはり新人時代は大変なんですね。
的場騎手がデビューした頃と比べ“今の新人若手騎手はいいな〜“と思うことはありますか?
的場騎手
攻め馬が少なくていいな〜と思う反面、たくさんの馬に乗れることは非常に良いことだと思うんです。色んな馬に乗ることで経験が積めるわけですから。
だから今でもオープン馬などは可能な限り乗ってますよ。

大記録への第一歩、忘れられない初勝利

秋田
的場騎手のようなトップジョッキーでも努力があってこその“今"があるわけですね。
その後、デビュー戦、そして待望の初勝利を迎えるわけですが、覚えていますか?
的場騎手
よく覚えてます。どちらもホシミヤマという馬でした。
特にデビュー戦はいきなり騎乗停止を食らってしまいましたから(笑)
緊張もあって斜行してしまい他の馬に迷惑をかけてしまったんです。
秋田
初勝利は?
的場騎手
それは嬉しかったですね!
秋田
その後、勝利数を伸ばし、アラブ王冠賞でヨシノライデンに騎乗して重賞初制覇。
重賞という大舞台ではプレッシャーなどありませんでしたか?
的場騎手
重賞初制覇は嬉しかったですが、特に全日本アラブ大賞典は嬉しかったですね。
各地から馬が集まってのレースでしたから。
プレッシャーはありましたが、あまり考え過ぎないように騎乗しました。
今では平常心で乗れています。
秋田
現在の新人・若手騎手へプレッシャー克服法を助言するなら?
的場騎手
程よい緊張感を持ち、深呼吸してリラックスすることかな。
秋田
その後の大舞台での活躍は周知の通りですが、驚くのは1985年から現在に至るまで、33年連続で年間100勝以上。さらに2001年から4年連続で300勝以上という、とてつもない成績を残されています。
的場騎手
関係者をはじめ、周りの方へ感謝ですね。
秋田
リーディング争いといえば、やはり石崎隆之騎手の存在は大きかったのでは?
的場騎手
そうそう、石崎さんとの戦いね。今思えばライバル心はお互いあったと思うし。
ある年は、ともに360勝くらい勝ってて、どっちが南関のトップを獲るか、その年の12月31日まで続いたこともあった。
最後は大井開催でポンポンポンと3勝できてリーディングを獲れたんですけどね。

地方競馬の名手が中央競馬へ参戦

秋田
ここからは中央競馬の話題にまいります。
的場騎手は大井競馬(南関東)を中心に騎乗されてますが、1990年9月16日、「ヤングジョッキーズシリーズ」のファイナルラウンドの舞台でもある中山競馬(芝1200m)でモガミリーフに騎乗し中央競馬初勝利を飾りました。
中央競馬の印象はいかがでしたか?
的場騎手
当時の印象は、コースや施設、競走馬などすべてがすごかった。
レースで言えば、オールカマーで3回2着してるんだけど、その中でもツインターボには驚いた。あんなに行かれたらね(笑)
秋田
その中央競馬では現在、大井に所属していた内田騎手や戸崎騎手が活躍しています。
的場騎手
二人ともしっかり成績を残してすごいよね。特に内田騎手は教え子だからいつも見てるよ。
秋田
2013年9月1日に韓国へ遠征しトーセンアーチャーに騎乗、海外初勝利(5番人気)を飾りました。初コースでの騎乗で注意すべき点は?
的場騎手
韓国のソウル競馬場だったんだけど、雰囲気は素晴らしかった。直線も長くてね。 初めての競馬場ではチェックを怠らないこと!
実際にコースを歩いたり、馬が走った後の蹄跡を見ると砂の深さがわかったり。
そして、他の人が騎乗するレースも見て、位置取りなどを参考にすることもできるかな。

今後の競馬界を担う若手ジョッキーへ

秋田
全国の競馬ファンが的場騎手の大記録と今後の騎乗を楽しみにしているので、機会があれば各地の競馬に参戦していただきたいと思います。
続いては、今後の競馬界を担う若手騎手へのアドバイスとして、的場騎手にお聞きします。
騎手を長く続ける秘訣を教えてください。
的場騎手
自分の考え方、目標をしっかり持つことです。考え方次第ってところかな。
秋田
新人・若手騎手だからこそ、“今できること"、やった方が良いことありますか?
的場騎手
トレーニング!
筋力づくりは重要ですよ。攻め馬が終わってから、砂の上を走ったり、ウォーキングしてました。コンクリート上だと筋肉痛が残るのでハードでも砂上が良いと思います。
だから今も体力の衰えは感じません(笑)
秋田
最後となりますが、『2017ヤングジョッキーズシリーズ』に参戦中の若手騎手へ、エールをお願いします。
的場騎手
ヤングジョッキーズシリーズは各地を転戦するわけでしょ?
すごく良い経験になると思うし、勉強になると思う。
苦労は買ってでも…なんていうけどその通り。
良い結果を目指し1段1段ステップアップし、これからの競馬界を盛り上げてほしいです!


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