第1回 ラブミーチャン記念
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鞍上の経験で勝利に導く
移籍して目指すは2歳女王


 グランダム・ジャパン2歳シーズン第4戦の舞台は笠松。昨年まで『プリンセス特別』として行われていたレースが条件等はそのまま、昨年引退したラブミーチャンを冠するレース名となり、回次も第1回に改められた。これを記念し、当日は幼稚園児を招待して『ラブミーチャンの歌』と踊りが披露されるなど、笠松競馬場は賑やかな1日となった。
 フルゲート10頭に北海道から3頭、岩手から1頭が遠征。このシリーズがスタートした当初、2歳シーズンでは他地区からの遠征馬が少なかったものの、昨年あたりからは積極的にタイトルを狙う遠征馬が増えてきた。特にシーズン終盤を迎えている北海道の所属馬は、輸送してそのまま移籍という事情もあるようだ。
 地元笠松のユーセイシリウスが競走除外となって9頭立て。ここまで重賞勝ちはないものの、JpnIIIのエーデルワイス賞で2着と好走したジュエルクイーンが単勝1.6倍で断然人気。同じく重賞勝ちはないものの、園田プリンセスカップでの2着に加え、地元笠松で準重賞を2勝しているティープリーズが2番人気。380キロ台の小柄な馬体ながら未来優駿シリーズのゴールドウィング賞(名古屋)を制したヒメカイドウが3番人気で、単勝一桁台はこの3頭。
 逃げたラブミーダイヤが3コーナー手前で一杯になり、続いていたレッドムーン、ヒメカイドウが並んで先頭へ。そのうしろを追走していた人気のジュエルクイーンは、向正面でムチが入り、3〜4コーナーでは鞍上の阪野学騎手の手が盛んに動いていた。しかし最後方から徐々に位置取りを上げてきたメモリードルマンが外から迫ると、ジュエルクイーンもようやく行く気を見せた。
 直線を向いてまだ3、4番手だったジュエルクイーンとメモリードルマンだったが、他馬との勢いの違いは明らかで、闘志に火がついたジュエルクイーンがメモリードルマンを半馬身差でしりぞけて勝利。1馬身半差で3着にヒメカイドウが入った。
 勝ったジュエルクイーンの阪野騎手は、「(広くて直線が長い)門別の馬場なら、自分のポジションを守って、直線いいところを見つけて抜け出すという感じですが、ズブいしコーナーで動いてくれないので、向正面から動いて4コーナー先頭というつもりで乗りました」という。昨年まで名古屋に所属していた阪野騎手は、当然笠松コースの経験もあり、その小回りでの経験がなければ勝てなかったかもしれないと、断然人気にこたえられたことにはホッとした様子だった。
 さて、グランダム・ジャパン2歳シーズンのポイントでは、エーデルワイス賞JpnIII・2着のポイントに、今回他地区1着の15ポイントを加えて30ポイントとしたジュエルクイーンが単独トップに立ち、15ポイントで2位のネガティヴに大きな差をつけた(表彰対象ではないJRA所属馬を除く)。ジュエルクイーンはこのまま名古屋・川西毅厩舎に移籍して、グランダム・ジャパン2歳シーズン女王を狙うことになるようだ。


阪野学騎手コメント
初めての馬場で馬に戸惑ったところもあったと思いますが、ズブい馬でコーナーで動いてくれないので焦りました。それでも外から(メモリードルマンが)来てくれたことでハミを取り直してくれました。プレッシャーはそれほどなかったですけど、だいたいイメージ通りにうまくいきました。

田中淳司調教師(委託)コメント
普段から一生懸命走るほうではないので、取りこぼしも多かったし、初めての馬場で、1周回るのも初めてで、馬も戸惑ったのか、ハミを抜いて走っていました。それでも最後は力でねじ伏せてくれました。テンにガンガン行くようなタイプではなので、小回りなら距離はマイルくらいあってもいいと思います。


取材・文:斎藤修
写真:宮原政典(いちかんぽ)

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