第41回 北海道2歳優駿
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直線先頭に立って突き放す
関係者一丸となっての勝利


 第41回北海道2歳優駿JpnIIIの優勝馬となったのは中央のディアドムス。馬主のディアレストは浦河町でディアレストクラブイーストという育成牧場を営んでおり、ディアドムスもまた、牧場に隣接したBTC(軽種馬育成調教センター)の施設を用いて鍛えられた。
 表彰台に立ったディアレストの高樽優也さんは、育成時のディアドムスについて、「動きの良さだけでなく前向きな性格をしており、牧場にいた頃から期待の1頭でした」と話す。デビュー戦(8着)、2戦目(10着)と芝では期待通りの走りはできなかったが、3戦目となった札幌ダート1700メートルの2歳未勝利戦で2歳のコースレコードを更新。この勝ちっぷりの良さから、オーナー、そして厩舎ともに、北海道2歳優駿JpnIIIを目標に据えた。
 このレースに並々ならぬ決意を抱いていたのは、ディアドムスを初勝利に導いた三浦皇成騎手も同じ。「北海道2歳優駿には去年も一昨年も騎乗させてもらっていましたが、結果が出せていなかっただけに、どうしても勝ちたいレースでした」
 前走のプラタナス賞(5着)は馬群に包まれながらのレースとなったが、追い出してからの脚色がまったく鈍っていなかったことを感じていた三浦騎手は、その経験が次に繋がると確信してここに臨んだ。
 1番人気となったのは、プラタナス賞で2着だったデヴァスタシオン。2番人気はブリーダーズゴールドジュニアカップを勝っていたホッカイドウ競馬のオヤコダカで、ディアドムスが3番人気。しかし連勝式ではデヴァスタシオンとディアドムスの組合せが人気を集めていた。
 レースは中央のトウケイファルコンが主導権を握り、オヤコダカが2番手をキープ。ディアドムスはプラタナス賞のように馬群の中で待機するも、4コーナーでは前を行く4頭の外を一気にまくり上げ、最後の直線で先頭に立った。
 その勢いのまま、ディアドムスは後続を引き離してのゴール。2着には後方待機で最後の直線勝負にかけた中央のカラパナビーチが入り、前々でレースを進めていたクラバズーカーが3着。人気を集めたデヴァスタシオンは追い込みきれずに4着。最内で粘り込んだオヤコダカは5着となった。
 ディアドムスを管理する高橋裕調教師もまた、この北海道2歳優駿JpnIIIは4度目の出走での初勝利。レース後のインタビューでは、「厩舎一丸となって臨んだレースですし、ようやく勝てて嬉しいです」と表情をほころばせていた。オーナー、騎手、そして調教師と、このレースにかける執念や意気込みが、ディアドムスを勝利へと導いたのかもしれない。


三浦皇成騎手コメント
初めてのナイター競馬に戸惑いを感じていたようですが、それでも強い競馬を見せてくれました。精神面に加え、まだ緩さも残っていますが、それでも前走より馬体がしまってきましたし、まだまだ成長する馬だと思います。この勝利を弾みとして、秋のGIレースでもさらなる活躍をしていきたいです。

高橋裕調教師コメント
前走(プラタナス賞)で敗れたとはいえ、いい競馬はできていましたし、今回もデキの良さには自信がありました。早い時期にデビューできたように、仕上がりの良さも目立っていた一方で、変わり身も期待でき、まだまだ強くなってくれそうです。次走は全日本2歳優駿を目指すことになるかと思います。


取材・文:村本浩平
写真:中地広大(いちかんぽ)

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