第14回 ローレル賞
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持ち前の根性で接戦を制す
目指すはグランダム姉妹制覇


 3歳牝馬のロジータ記念と2歳牝馬のローレル賞が一夜にして行われた豪華なひととき。開催ごとに装いが変わる川崎競馬場名物の誘導馬たちも、このダブル重賞は女王のいでたちで魅せてくれた。
 グランダム・ジャパン2歳シーズンに組まれているローレル賞は、真島大輔騎手がエスコートした4番人気ララベルが優勝した。全姉のショコラヴェリーヌは3年前のグランダム・ジャパン2歳シーズンの女王。ローレル賞は好内容の走りだったが惜しくも2着に敗れているだけに、「お姉ちゃんのかたきを妹が取ってくれた感じですね」と、姉妹をともに管理している荒山勝徳調教師はニッコリ。
 レースは、北海道からの遠征馬でアジュディミツオー産駒のネガティヴがハナを切り、前半3ハロン37秒1のペースで進めていった。すかさず、北海道のミラクルフラワーや、ゼッタイリョウイキが先団を形成していき、ララベルは中団付近の内目を追走。「スタートはそんなに上手な馬じゃないので、ゆっくり我慢をする競馬をしようと思っていました。負けても次につながる競馬をするつもりだったので、イメージ通りに進めることができましたね」(真島騎手)
 ネガティヴがリードしたまま直線へ向いたが、ララベルは他馬と接触しながらも直線半ほどで馬群を割って一気に先頭に変わると、最内から伸びてきたゼッタイリョウイキとのデッドヒート。「交わせるかどうかはわかりませんでしたが、ゴールした時には勝ったと思いました。根性のすごい馬です」(真島騎手)。気迫あふれる叩き合いは、ララベルがゼッタイリョウイキにクビ差つけたところで終止符を打った。勝ちタイムは1600メートル1分44秒2(良)。
 ララベルを担当している横山和己厩務員は上山競馬場の調教師だった横山崇司さんの息子で、父の厩舎で厩務員をしていた。上山競馬場廃止後に大井競馬場分場の小林牧場へ移籍し、これが待望の重賞初制覇となった。「ここまで長い道のりでしたが本当にうれしいです。おとなしくて動じない馬で、初コースでもいつも通りでしたね。オンオフの切り替えがしっかりできるのはすごいと思います。レース後の表情を見てもケロッとしていますね」(横山厩務員)
 まだ右トモの股関節に弱いところがあるので素質の高さで走っている馬だが、3戦目という浅いキャリアながら初コースをあっさり克服できたことでも、改めて能力の高さを示したと言えるだろう。
 「お姉ちゃんはローレル賞2着でも、ポイントで(グランダム・ジャパンを)獲らせてもらいましたが、妹も総合優勝を狙いたいですね」(荒山調教師)。姉と妹がグランダム・ジャパン2歳シーズンのチャンピオンホースとして名を刻むことになれば、創設以来の快挙になるだろう。レース後の状態面を考慮して、ファイナルの東京2歳優駿牝馬を目指していくことになる。


真島大輔騎手コメント
初めて跨った時から惚れていた馬なので本当にうれしいです。ここまでもまっすぐ一生懸命走ってくれた馬ですが、まだトモが緩いので、川崎競馬場のコーナーに気をつければ結果はついてくると思っていました。今回が3戦目で使いながら良くなっていますが、これからもっと成長してくれるでしょう。

荒山勝徳調教師コメント
出たなりのポジションで(前半は)いい感じに進めていけました。3コーナーで狭くなって、直線では他馬と接触してひるむようなところもありましたが、根性を出して走ってくれました。能力の高さは最初から感じていたので、身が入ってくればさらに上を目指せると思います。大事に育てていきたいですね。


取材・文:高橋華代子
写真:国分智(いちかんぽ)

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